ジョージ・ネルソン |
ハーマンミラー社を任されたネルソンは、デザイナーとしてのハーマンミラーでの仕事を独占せずにイームズ、ジラルド、イサム・ノグチなど有能な人材を集めました。彼の仕事量とデザイナーとしての社内での重要度が目減りすることを、あえて実行したのです。ネルソンの物事に対するスマートさと包容力がハーマンミラーの黄金期を築くことになります。
「ハーマンミラー物語」(渡辺 力著)によると、ネルソンはグッドデザインについてこう語っています。「グッドデザインは、よい絵画、よい料理、よい建築と同じように、限界を超えようとする人間精神のひとつの現われです。装置とか、機能とかではなく、ひとつのトータルな表現です。例えば一脚の椅子が軽くて扱いやすく、すわり心地がいいとしても、それはたまたまそうであるだけで、バットデザインでもこのことはできるのです。」
「創り出す経験を通して、それを創った人が豊かになり、またそれを使い、それを見る人たちも、その創られたものに深く反応して、豊かになっていく、それがグッドデザインです。」
その通りであることは、彼の作品を見ても明らかですね。この胸の透くような、すっきりした気持ちが満ちてくるのは、これらがグッドデザインに間違いなく、そうした信念に裏打ちされて創られているからに違いありませんね。
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