最近ある建築関係のお仕事の方がご来店され、店舗のリニューアルでイームズなどのデザイナー家具の使用を考えているが、本物は高いので、ネットなんかでよく出ているリプロダクト品とか、ジェネリック品などの模倣品を使おうか迷っているというご相談を持ちかけられました。確かに近くの小学校にもジェネリック品らしきものが堂々と備品として使われている。まさにここは、模倣品の文化の中心アジアの中にある日本国ですが。
その選択肢自体がおかしいのではないでしょうか?不特定多数の人々が集まる店舗という空間をおしゃれに演出したいという目的をデザイナーの意思も承諾もない勝手に作った模倣品(デザインを模倣して作ったそっくりなもの)で演出するという方法は、同じくモノを作り出す立場の人であればなおさらですが、使ってはいけない選択肢です。それは、実際に建築設計費を払われる施主にも、デザインを世に送り出したデザイナーたちにも、そこを訪れることになるお客様に対しても失礼なことです。
もしも、それを容認するような人がいるのなら、中国のディズニーランドのような遊園地や、CHANNELと描かれた露天で売られるTシャツを笑えるでしょうか?欧米ではそんな模倣品を扱っているショップやメーカーは完全にたたかれます。
少なくともモノづくりや、デザインに関係されている方たちは、おしゃれな空間づくりに模倣品を使うくらいなら、潔く無名のものをお使いください。自分が、もしくは依頼された顧客を裸の王様にしてしまうことは避けられます。模倣品がアジアの文化だなんて決して認めてはならないのです。
重厚な大理石ベースから美しいステンレスのポールが華麗なアーチを描くこの美しい照明。イタリアデザイン界の長老的存在だった、今は亡きアッキーレとピエル・ジャコモのカスティリオーニ兄弟の合作によるこの照明は、"ARCO"(アルコ)。アルコは、アーチを意味します。大胆な発想とアイデアで1962年にデザインを発表して以来世界中で愛用されている、フロス社を代表する近代照明デザインの名作です。フロス社は、元々カッシーナ社とガビーナ社という二つの家具メーカーが、自社のモダンな家具に合う照明を作るという目的で誕生しました。そのデザイナーに責任者の一人として指名されたのが、カスティリオーニ兄弟だったのです。どうですか?まるで、金属と大理石でできた光のオブジェ。優雅に頭を垂らすその美しい姿は、リビングの顔となる風格があります。
こちらの商品も、デザインを勝手に真似した模倣品やら、ジェネリック品やらが出回っていますが、あくまでそういう商品ですから、ご注意ください。
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グ村長
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